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IRR オブジェクト ガーべージ コレクター の運用について

IRR データベースはメンテナーの皆様に各種オブジェクトを登録していただくことにより 実ネットワークに則した情報を蓄積することを可能としています。 しかし一方で、IRR データベースの運用を続けるうちに、 登録はされたものの、長期間に渡って更新されていないオブジェクトが 蓄積されていきます。

この様なオブジェクトは現実のネットワークの情報と乖離している場合が多く、 結果的に IRR データベースの信頼性を下げることにつながります。 これは IRR データベースの「ごみオブジェクト問題」として以前から 問題視されて来ましたが、実際にこの問題への対策はとられて来ませんでした。 「ごみオブジェクト問題」については 2003 年 7 月 24 日に開催された 第一回 JPIRR BoF でも取り上げられました。 議論の詳細については JPIRR BoF 議事録 を御覧ください。

このような問題指摘を受け、JPIRR では 「ごみオブジェクト問題」への対応策として IRR オブジェクト ガーベージ コレクターの運用を開始するに至りました。

本システムはメンテナーの皆様に登録していただいたデータベースに対し、 JPNIC IRR 企画策定チームの判断のもとに意図的に変更を加えるものであります。 そのため何卒、皆様の御理解と御協力をいただきたいと存じます。 以下に本システムの概要、およびデータベースへの変更内容やオブジェクトの 状態遷移、メンテナーの皆様への情報の通知方式などについての説明をいたします。 是非、御一読ください。

オブジェクト更新期限の確認

JPNIC IRR データベースに登録されたメンテナーオブジェクト名を入力し「検索」ボタンをクリックしてください。

例) MAINT-JPIRR

システム概要

本システムは主に以下の処理を行います。
  • オブジェクトの更新期間の確認と通知メールの発行

  • 各オブジェクトの更新日より、JPIRR が設定した更新期間を経過した オブジェクトについて、そのオブジェクトが属するメンテナーに対して 更新に関するメールを送信します。

  • 未更新オブジェクトの閲覧不可処理と通知メールの発行

  • 更新期間を経過し、なお更新されていないオブジェクトは IRR データベースから一時的に除去し、その旨をメールにてメンテナーに 通知します。 この処理により、初めて IRR におけるオブジェクトの閲覧が 不可能な状態となります。 除去されたオブジェクトは一定期間、一時ファイルにて保管されます。

  • 保管オブジェクトの削除処理

  • 閲覧不可処理により、IRR から一時ファイルに 移動されたオブジェクトは、一定期間を経過した後に削除されます。 この処理により該オブジェクトに関する情報は JPNIC から 完全に消失することになります。

  • 各オブジェクトの更新日の一覧表示

  • メンテナーに属するオブジェクトの更新期限の予定日の一覧を Web ページにて表示します。このプログラムは オブジェクト更新期限の確認 ページよりアクセスすることができます。

オブジェクトの状態遷移

各オブジェクトは changed 属性に含まれる更新日より、以下に挙げる 4 つの状態に 分類され、その分類に従って適切に処理されます。

  • 新規登録 / 更新
  • オブジェクトが新規に登録、または更新された状態のことを指します
  • 更新期間満了
  • オブジェクトが設定された更新期間を満了した状態です。 この時点では、IRR データベース上のオブジェクトには変更は加えられていません。
  • 閲覧不可処理
  • 更新期間が満了した後の猶予期間を経過した状態です。 IRR データベースに含まれているオブジェクトをデータベース外の保管用ファイルに 移動させます。これにより初めて IRR データベースからオブジェクトが除去され 閲覧が不可能な状態となります。
  • 削除処理
  • 閲覧不可処理の後、一定期間が過ぎたオブジェクトの状態です。 ここで、保管用ファイルに移動されたオブジェクトが削除され、JPIRR として 保存していたオブジェクトの一切の情報が喪失されることになります。

この分類をもとに、各オブジェクトは以下の図に示した通りに処理されます。

状態遷移図

  1. まず、オブジェクトが新規に登録あるいは更新された場合に、初期状態である 「新規登録 / 更新済」状態となります。
  2. 初期状態から 12 ヶ月の間オブジェクトに更新が無かった場合 「更新期間満了」状態となります。初期状態から「更新期間満了」状態と なるまでの間にオブジェクトが更新された場合には初期状態に戻ります。
  3. 「更新期間満了」状態からさらに 3 ヶ月の間更新が無かった場合 「閲覧不可処理」が行われます。この 3 ヶ月の間に更新された場合は 初期状態に戻ります。閲覧不可処理が行われた後に該オブジェクトを回復 したい場合は、ご自身で再度ご登録いただくか、別途その旨のメールを irr-admin@nic.ad.jp 宛に送信していただく必要があります。
  4. 「閲覧不可処理」が行われてから 12 ヶ月が経過すると該オブジェクトに対して 「削除処理」が行われます。削除処理が行われた後はオブジェクトに関する情報は 完全に消去されますので、改めてオブジェクトを登録し直していただくことに なります。

更新期間の設定と通知の発行

ここでは、各種通知が発行される時期について説明します。通知は 「更新期間満了」までに 2 回、「閲覧不可処理」 までに 3 回発行されます。これらの処理はそれぞれ指定された日の 午前 3 時より行われます。

なお、() 括弧内の日にちは、例として 2003 年 8 月 5 日 に 更新されたオブジェクトに対して、これらの処理が行われる日を示しています。

タイムスケジュール

  1. 更新期間満了月の前月の初日 (2004 年 7 月 1 日)

  2. 「登録オブジェクトの更新期間満了の 1 ヶ月前通知」 という件名の通知が発行されます。

  3. 更新期間満了月の初日 (2004 年 8 月 1 日)

  4. 「登録オブジェクトの更新期間満了の通知」 という件名の通知が発行されます。

  5. 閲覧不可処理月の前月の初日 (2004 年 10 月 1 日)

  6. 「登録オブジェクトの閲覧不可処理の 1 ヶ月前通知」 という件名の通知が発行されます。

  7. 閲覧不可処理月の初日 (2004 年 11 月 1 日)

  8. 「登録オブジェクトの閲覧不可処理の通知」 という件名の通知が発行されます。

  9. 閲覧不可処理月の最終日 (処理直後) (2004 年 11 月 30 日)

  10. 「登録オブジェクトの閲覧不可処理の御報告」 という件名の通知が発行されます。

これらの通知はメンテナーオブジェクトの mnt-nfy 属性に記載されているメールアドレスに 対して発行されます。通知対象となった複数のオブジェクトが、 1 つのメンテナーオブジェクトに属している場合は、それらのオブジェクトの通知を まとめて、1 つのメンテナー宛の通知として送信します。

メンテナーによる更新期間の設定

メンテナーの皆様に、この更新期間を一定の範囲内で設定していただくことが可能です。 更新期間の設定はメンテナーオブジェクトの descr 属性に expire 指示子を記述することで 可能となります。

例えば、更新期間を 6 ヶ月に設定する際には以下の例のように expire=6 と指定します。

mntner:     MAINT-JPIRR
descr:      People authorized to make changes for JPIRR expire=6
admin-c:    IO36JP
tech-c:     Tomoya Yoshida
upd-to:     irr-admin@nic.ad.jp
mnt-nfy:    irr-admin@nic.ad.jp
auth:       CRYPT-PW HIDDENCRYPTPW
mnt-by:     MAINT-JPIRR
changed:    foo@nic.ad.jp 20031224
source:     JPIRR

また、以下の例のように、複数行にわたる descr 属性の中に記述することも可能です。 その際、expire 指示子自体は 1 行の中に収まるように記述してください。

mntner:     MAINT-JPIRR
descr:      People authorized to make changes for JPIRR
            expire=6
admin-c:    IO36JP
tech-c:     Tomoya Yoshida
upd-to:     irr-admin@nic.ad.jp
mnt-nfy:    irr-admin@nic.ad.jp
auth:       CRYPT-PW HIDDENCRYPTPW
mnt-by:     MAINT-JPIRR
changed:    foo@nic.ad.jp 20031224
source:     JPIRR

このようにメンテナーオブジェクトに対して expire 指示子を設定することで メンテナーオブジェクト及び、 これに属するその他のオブジェクトの更新期間が 一律に expire 指示子で指定した値に設定されます。 反対に、個々のオブジェクト毎に更新期間を設定することはできません。

また、メンテナーによって設定できる更新期間の範囲は JPIRR で定めた上限と下限の 範囲内である必要があります。 現状ではこの範囲を 1 ヶ月以上 24 ヶ月未満 と設定しています。

オブジェクトの更新期限の確認

任意のタイミングで、メンテナーに属しているオブジェクトの状態を 確認することができます。

オブジェクト更新期限の確認 のページにて JPIRR に登録された任意のメンテナーオブジェクトを指定すると そのメンテナーに属するオブジェクトの一覧が表示されます。 その際、オブジェクトの上に、そのオブジェクトが更新期限を迎える年月が記載されます。 この更新期間には通常、新規登録・更新日より 12 ヶ月後が設定されています。 上述した expire 指示子による更新期間の設定を行っていた場合には、その値に従って 更新期限が算出されます。 更新のタイミングなどを決定する際の参考としてご利用ください。